La Description du Monde ~東方見聞録2020~ “Sake” is Real Cool いまこそ日本酒を楽しもう!


2020年の東京オリンッピックにむけて、世界中から多くのかたが私たちの国を訪れるでしょう。
「どこか美味しいお店に連れていって!いろんなことおしゃべりしよう!」
彼らからそういわれたとき、グルメサイトやガイドブックには載っていない「とびきりの場所」に連れていきたいと思いませんか?
きょうからはじまる、不定期連載「La Description du Monde ~東方見聞録2020~」は、そんなとききっと役立つ、スペシャルな情報をお届けするグルメガイドです。


 
~ おさけはぬるめの 燗がいい  肴は あぶった イカでいい ~
“日本酒”といえば、八代亜紀さんの名曲「舟歌」の世界を連想する人も多いのでは?
注文は一合をお燗か冷で、枡から溢れた分はご愛嬌…
「日本酒は悪酔いする」「次の日に残る」など、いまだマイナスイメージが残っているとすれば、それはいわゆる“安酒”、戦後に生まれた醸造用アルコールを添加した清酒に対してのものでしょう。
しかし最近、そんなステレオタイプは大きく変わろうとしています。
 
日本酒 - Japanese Sake
 
近年、世代交代の著しい造り酒屋界では、革新的な蔵元が次々と登場。東京大学卒で、文筆業から転身して家業を継いだという8代目の蔵元・佐藤祐輔氏が率いる秋田の「新政酒造」や、フランスのミシュランガイド認定三ツ星レストランにも取り上げられている「醸し人九平次」を作る15代目久野九平冶氏(愛知・萬乗醸造)など、自社の酒に対するブランディングや技術刷新に意欲的な若い才能が次々と現れています。
また、世界への日本酒の輸出量は、平成15年の39億円から、平成25年には105億円と、約2.7倍もの伸びを見せており、“Sake”に対する関心は世界的に高まる一方なのです。
 
SAKE - 酒
そうした若き蔵元の情熱に感化され、日本酒の魅力を伝える飲食店も次々と現れています。
全国47都道府県を全て網羅した約100種類の純米酒が飲み放題の「純米酒専門 粋酔」( 東京都台東区東上野3-35-9 アドレ上野1F)や、約90種類の地酒を各480円均一で提供する「日本酒バー 銀座じゃのめ」、三軒茶屋の三角地帯と呼ばれる古くからある飲み屋街で、日本酒専門の立ち飲みバルとして賑わう「采」(東京都世田谷区三軒茶屋2-13-19)、絶品の酒のアテが豊富に揃う隠れ家風の日本酒専門店「米食米酒 穂のか」(東京都品川区小山3-5-20)など。
 
いずれも、平日でも予約必至の人気店です。また、これらのお店に共通するのが、日本酒を90ml~120mlまで、飲みやすいボリュームでリーズナブルに注文できること。糖度や酸味などを、独自のチャートにして掲出している店もあり、気になった銘柄を少量からとても気軽に試してみることができます。どんな素朴な疑問でも、お店の人に聞いてみれば、きっと親切に教えてくれるはず。
 
数々の実力店が軒を連ねる東京・五反田エリアで今や予約必至の人気日本酒居酒屋「酒場それがし」のオーナー尾山淳氏は、こう語ります。
「僕は元々ワインに傾倒していて、ヨーロッパの各地を訪れていました。そこで出逢ったのは、“俺の所が一番だ!”と、生まれ育った土地やそこで造られたワインをこよなく愛する人達。それなら、自分が誇れる日本の文化って何だ?と省みた時、よし、日本酒の店で勝負しようと心に決めたのです」。
 
日本酒と塩 - Sake and salt
高温多湿な気候の中で、豊かな自然と共に育まれてきた日本独自の酒、日本酒。ニホンコウジカビと呼ばれる麹菌(学名:アスペルギルスオリゼー)は、ある時突然変異で誕生したと考えられており、世界でも日本にしか存在しない菌です。南は沖縄から、北は北海道まで、縦に長い国内各地で造られる地酒は、本当に個性様々。しかも、輸送コストがかからないので、ワインと比べればとてもリーズナブルといえます。
 
気軽に楽しめる様々な業態が増えてきた今こそ、もっともっと日本酒に親しんで、お気に入りの一本を見つけたいものですね。
 
ちなみに筆者の目からウロコを落とし、日本酒に開眼させてくれた5本は下記のとおり。お試しあれ!
新政 ・仙禽 ・国香 ・一喜 ・発芽玄米酒 「むすひ MUSUBI」
 
(author) Yui Nakamura
(photo) Flickr(@Osaka Ian)

 

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