【秋の食特集】その喜びを分かち合うほどに ~「フランス レストランウィーク2014」

食の喜びは、誰かと分かち合えば分かち合うほどにその喜びは増していくもの。

こうしたコンセプトを掲げ、フランスではじまった「Tous au Restaurant」(皆でレストランに行こう)という美食の祭典があります。この日本版が、2014年9月20日から10月5日まで開催された「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク 2014」です。
フレンチの魅力をまだ知ることのない多くの日本人に、”もっと気軽に楽しんでもらいたい!” と呼びかけるイベントは、ことしで4回目を迎えました。
目にも美しく美味しいフレンチを堪能できるのはもちろんのこと、このイベントで注目すべきは、参加するシェフたちが向ける熱い視線のその先に「生産者と素材」があるということ。豊かな自然が生み出す日本各地の食材を駆使し「日本初のフランス料理」を追求する、そうしたイベントでもあるのです。
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和食やカジュアルダイニングが好きなこともあり、フランス料理を口にする機会はあまりないのですが、「日本(和)」が絡んでいるとあらばでかけない訳にはいきませぬ。そして向かった先は、「ペニンシュラ東京(東京・日比谷)」の「ザ・ロビー」。ホテルを象徴するこの場所は、3段のスタンドににぎやかに盛られた「アフタヌーンティー」をお目当てに、連日多くの女性でにぎわいます。
あたりが夕闇に包まれると、バルコニーから流れてくる弦楽器三重奏、解放感あふれる高い天井、すとんと心を落ち着けてくれる絶妙なシャンデリアの灯り。さすがは世界のペニンシュラ、席につくなり一瞬で夢心地に。
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そうでした、メニューをご紹介しましょう。ウェルカムシャンパン、前菜、メイン、デザート、とシンプルな構成。「す、少ないかも…」と感じた最初の不安はどこへやら、食べ終わるころには大満足の笑顔に。
前菜は、真鯛のお刺身、野菜のカクテル、4種のキノコとほたてのマリネ、の三種盛り。真鯛は、海外ではおおよそ人気がない魚ですが、日本ではどこであっても珍重され大変なじみ深い食材ですね。フレッシュな魚が豊富にとれる島国ならではの料理が「刺身」。生の食材を衛生的にいただけるこの一品は、海に囲まれた私たちの国の財産です。
メインは「仔羊の低温ロースト(タイムとローズマリー風味)」。

「仔羊を存分に楽しんでいただきたいので、前菜は温かいものでなく冷たいものをご用意しました」

と、料理長の榮岩(はえいわ)シェフ。その心遣いを語ってくれました。
テーブルサーブもさり気なく、ワインも美味しく、久しぶりに会った後輩とのおしゃべりはとどまることを知らず…今この時間が楽しくて。吟味された素材、絵画のように美しい盛りつけ、食べるひとに楽しんでもらうために作られたお料理が、こんなににも人を喜ばせることができるなんて。
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最近「おうちごはん」にはまっていた私でしたが、またひとつ食への「扉」が開いたステキな夜になりました。
※2014年の「フランス レストランウィーク」は明日までの開催です。

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