オフ会レポート〜「もっと知りたい羊羹のこと」〜 ①

おもかげ

創業500年、とらやの「おもかげ」


 
2014.3.22、 和ゴコロ研究所は、〜「もっと知りたい羊羹のこと〜利き羊羹体験の巻」と題してオフ会を実施しました。
美味しい洋物スイーツが席巻する昨今…「和菓子」の人気はなくなりつつあるのでしょうか。いいえ、そうではありません。洋菓子のように主張したり華美にふるまうことがないため目に触れにくいだけ、和菓子はいつの時代も「そこ」にあります。
手をのばせばいつも私たちのそばにある和菓子。そのなかから今回は「羊羹」をセレクトしました。なんとも地味〜な存在ですが、その意外なルーツや老舗店まで、羊羹について数々の新たな発見がありましたよ。
終始なごやかで楽しいムードにつつまれたこの会は、あっという間の2時間でした。
 
【第一部】は座学から。羊羹についてのこんなことあんなこと。
「羊羹を知ろう!」
羊羹の「羹」の字は、こひつじを表す「羔」と「美」に分けられます。「美」は羊と大の合字ですが、美味しいとか好ましいという意味。羊羹のなかには実に羊が「3匹」もいるのです。
羊羹の最も古い記録は、紀元前770年の中国の文献。それによりますと羊羹とは、羊の肉を主として山芋や椎茸、タケノコを煮た「羹(あつもの)=汁物」であったことがわかります。
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日本の伝統美を進化させるHIGASHIYA 「大納言羊羹」


その後、平安時代に遣唐使が持ち帰り日本にもたらされますが、羊の肉ではなく大豆、小豆、米などを使い、宮廷や仏閣の儀式に供されました。
武家社会の中で、汁物としての「羹」と、中国から伝わっていた「点心(=食事と食事の間に食べる軽い食事)」の二手にわかれていき、点心のほうが後世に引き継がれ「菓子」となっていくのです。
中国から伝わった羊羹が日本で注目されはじめたのは室町時代。この時代の「砂糖」は舶来品で大変な貴重、かつ高価だったため珍重されました。
その後、砂糖が琉球に伝来し、薩摩、肥前・肥後(四国)に広がり、九州地方では上白糖、四国では和三盆といわれ、このことが日本における菓子の方向性を大きく変えていくことになります。
さて【第二部】はワークショップ。お楽しみの「利き羊羹体験」です。(つづく)

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